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日本人を作ってきた「どっちも良い」という文化

 

 

オキタさん

 

 

タイトル

 

日本人を作ってきた「どっちも良い」という文化

 

「今日の夜ご飯はカレーとカツ丼、どっちが良い?」と聞かれたらあなたは何て答えるでしょうか。カツ丼と答えた人、カレーと答えた人それぞれだと思いますが、”カツカレー”という発想が出てきた人もいるかもしれません。それこそが今回のテーマになります。

 

このカツカレーという選択肢を思いつくのが

 

 

日本人は古来より、「どっちも良いよね」「良いものは残そうね」という価値観で文化を作り上げてきました。良いものはどんどん取り入れていく、という価値観です。それを象徴するのが奈良時代に生まれた「神仏習合」という考えです。

 

「神仏習合」とは、本来であれば別々の宗教である神道と仏教が融合して生まれたものです。普通であれば神道か仏教かどちらかを選ぶところを「どっちも良いよね」という価値観で融合したのです。

 

このような"融合する文化"は現代の私たちにも強く受け継がれています。例えば、日本人は12月にはクリスマス(キリスト教)、大晦日の夜には除夜の鐘(仏教)、お正月には初詣(神道)、結婚式を教会で挙げ(キリスト教)、葬式はお寺に依頼(仏教)しますよね。

 

 

 

 

まずはこの画像を見てください。

 

 

 

こちらは秩父神社にある神輿です。一見、普通の神輿に見えるかもしれませんが、実はこの神輿、とてもすごいんです。この神輿をよくよく見るとこの神輿の台座には葵の紋、屋根には菊の紋があるのが分かると思います。葵は徳川家の家紋で、菊は天皇家の紋です。つまり、1つの神輿に徳川家の家紋も天皇家の紋も両方入っているのです。

 

こんなの他の国では絶対にありえません。例えて言うなら、F1のスポンサーとして同じ車に「トヨタ」「ホンダ」の二社が並んでいるくらい、ありえないことです。

 

他にも、東京の街を歩いていると「徳川家ゆかりの寺」を見つけることができると思いますが、こちらも他の国だったらありえないことです。日本じゃなかったら今もこうして「徳川家ゆかりの寺」は存在していないでしょう。他の国であれば大政奉還で徳川家の時代が終わり、天皇家の時代になったタイミングで寺や書物など、徳川家に関係するものは全て壊されるからです。

 

例えば、中国は前の皇帝の時代が終わったらその皇帝に関連するものは全て滅ぼすことが当たり前でした。焚書(ふんしょ)と言って、前の皇帝に関連する全ての書物を焼きはらってしまうのです。また、前の皇帝の家族、仕えていた人、携わっていた人たちを殺すのはもちろん、前の皇帝の趣味に関連する職業の人までも殺されていました。前の皇帝が雅楽を愛していたのであれば雅楽に携わっていた人が次々に殺されていたのです。

 

このような他国の例を見ると、前の時代のトップである徳川家と次の時代のトップである天皇家が同じ神輿に並んでいることは世界的に見ればかなり特殊な光景なのです。

 

 

日本人の価値観

 

 

日本人は古来より、「どっちも良いよね」「良いものは残そうね」という価値観で文化を作り上げてきました。良いものはどんどん取り入れていく、という価値観です。それを象徴するのが奈良時代に生まれた「神仏習合」という考えです。

 

「神仏習合」とは、本来であれば別々の宗教である神道と仏教が融合して生まれたものです。普通であれば神道か仏教かどちらかを選ぶところを「どっちも良いよね」という価値観で融合したのです。

 

このような"融合する文化"は現代の私たちにも強く受け継がれています。例えば、日本人は12月にはクリスマス(キリスト教)、大晦日の夜には除夜の鐘(仏教)、お正月には初詣(神道)、結婚式を教会で挙げ(キリスト教)、葬式はお寺に依頼(仏教)しますよね。

 

他の国から見れば異様な文化だと思われますが、日本人は「どっちも良いよね」「良いものは残そうね」という価値観を持っていますので何も違和感を感じません。AかBかどちらかを採用するのではなく、AもBも良いとこは採用するのが私たち日本人には一番合っているのかもしれません。

 

 

「〇〇すべき」という考えは日本人に合わないかもしれない。

 

 

よく会社の上司や学校の先生、親に「〇〇すべき」「〇〇しないといけない」と言われませんでしたか?このような「〇〇すべき」という言葉に違和感を覚える人も多いはずです。しかし、それは当たり前のことなんです。なぜなら「〇〇すべき」「〇〇しないといけない」というように、AかBか、白黒ハッキリ付ける思考は欧米的な思考だからです。

 

上記の通り、日本は「どっちも良いよね」「良いものは残そうね」という価値観を持っていますのでAかBかの二択から選ぶ考えはあまり馴染まないのです。冒頭のカツカレーの例で言えば、「カツ丼」が正解か「カレー」が正解か、という二元論的な考え方は欧米的な発想で、「どっちも良いじゃん」「組み合わせてみようよ!」という発想が日本人的な発想になります。日本は戦後、欧米の発想を無理やり入れ込もうとしたため、現在も多くの人が苦しくなっているのかもしれません。

 

 

日本人的な思想があれば宗教問題も解決?

 

 

今もユダヤ教、キリスト教、イスラム教は聖地エルサレムを巡ってさまざまな争いを繰り広げています。しかし、日本人的な発想をすれば「宗教が3つあって良かったね。」となるのです。決してどちらかを否定するのではなく、「どっちもいいじゃん。こっちもいいし、こっちもいい。」という考えが我々日本人の本来の姿です。

 

このような考えを世界中の人たちが持つことができれば、世界から多くの戦争が無くなっていくかもしれません。あなたも「ちょっと生きづらいな...」「なんか苦しいな...」と思った時は「どっちもいいじゃん。こっちもいいし、こっちもいい。」という視点で世界を見てみると少し楽になるかもしれませんね。